風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

自分で下手なピアノを弾く意味

バッハ=ブゾーニの「来たれ、異教徒の救い主よ」の楽譜を久しぶりに引っ張り出して弾いてみた。誠に僭越ながらこの曲はピアニストの演奏を聞くより下手な自分が弾くほうが感動できる。なぜか考えてみると、この曲はコラール前奏曲で注の部分に「The prelude, the imterludes and the accompmaniment-parts are to be kept well in the background and maintain throughout a quiet, reticent character as a contrast to the melodic part, which must be strongly accented」とある通りにピアニストはメロディ部分をはっきりと弾きそれ以外はかなり引っ込んだような表現をするのが普通だ。僕は音楽を聴く時は小さめのボリュームで聴くことが多いため、鳴っている音全てを聴けていないことも多く、小さい音量で弾かれている部分に十分注意が行き届かない傾向がある。

しかし自分で弾くと全ての声部、全てのパートがヘッドホンを通してよく聴こえる。僕が下手なのでメロディ以外のパートもそれなりの音量で弾いてしまうということもあるのだが、この曲の場合は自分で弾いていると巨大な大伽藍がゆっくり立ち上がってくるように思える瞬間があり、クラシック音楽以外のジャンルでは経験することが少ない「崇高系の感動」が湧き上がってくる。キリスト教徒でない僕でも、この曲が人よりも遥かに崇高な対象に対する祈りや強い願い、思いを表現していることが伝わってくる。

ホロヴィッツの演奏で。随分ロマンティックに崩しているが素晴らしい演奏。どうやったらこんなに美しい弱音が出せるのだろう。

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校訂版の楽譜はやっぱり良い

ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の譜読みを始めた。この曲、大昔にロンドンの楽譜屋Boosey&Hawkesで買ったDover版の楽譜で読み始めたのだが、指使いを決めるのがややこしく行き詰まってしまった。思い出すと僕は当時「できるだけ安く(まだ版権が切れていなかった)沢山のラヴェルの楽譜を買いたい」という一心でこの「Piano Masterpieces of Maurice Ravel」という楽譜を求めた(£7.50だったから2000円ぐらい?)のだが、沢山の曲が入っている(この曲以外に「ソナチネ「鏡」「夜のガスパール」「水の戯れ」まで入っていた。大名弁当か、苦笑)のは良いものの、リプリント版なのだろうがとにかく読みにくい上に指使いの記入が全くない。まぁ自分で運指考えろということでしょうが、ラヴェルの曲で運指考えるのはなかなか面倒だ。

というわけで校訂版を買いました。いや、本当にラクです。この楽譜で譜読みしてゆくと無理な部分がほとんどない。面白かったのはこの写真の冒頭の部分でもバッハでよくやる指替え(3→4とか4→5)が沢山使われていることで、なるほど、と思った。

この曲は精妙な響き、和声の移ろいが本当に綺麗で譜読みしていて頭が痛くなるような曲とは大違いだ。譜読みしていて楽しい曲はやる気になりますよ、やっぱり。

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オーストラリアの鳥が覚えられない

オーストラリア遠征の出発が徐々に迫ってきた。見られる可能性がある鳥を少しでも覚えようとしているのだが、これがなかなか難しい。鳥の英名(学名)から和名を調べて図鑑に記入して絵を眺めても全然頭に入ってこない。問題は絵から実際の姿が想像できないことだ。イラスト図鑑は鳥の実物を見てイメージを持った後に識別点を確認したりするのにはいいのだが、全く見たことがない鳥を図鑑の絵からイメージを持つことは難しい。

分布図からどんな鳥が見られるかはある程度はわかるのだが、それが「どの程度の頻度」で見られるか分からないのも問題だ。滅多に目にできない珍鳥を必死になって覚えていっても実用的とは言えない。悩んだ挙げ句、動画サイトで今回行く付近の鳥の動画を探してダウンロードし、それに図鑑で調べた和名を記入することにした。時間がかかるがこれだとイメージは持ちやすい。それにしても僕が知っている日本を含む旧世界の鳥と共通点がほとんどないのにはつくづく驚かされる。

陸の鳥はこれである程度は予習できるが問題は海鳥だ。今回は2日間、船に乗って南太平洋の海鳥を観察しに行く予定だが、南太平洋(オーストラリア沖)の海鳥の動画はどこを探してもない。写真図鑑の写真を見てイメージを作っていくしかないのだろうな。しかし写真図鑑を見てもどの海鳥も非常に似ていて識別できそうな気がしないのだ。ガイドさんがいるのでその場で教えてはくれるだろうが、事前に何もイメージを持っていない状況では(揺れる船の上での瞬間勝負の海鳥観察では)「行ったけど何も残っていない」になりかねないのだ。

とまぁ、大変げに書いたけど、楽しみで行くのだからそんなに肩ひじ張る必要はないのだ。こういうのも楽しみなのである。本音を言えば、笑。


写真はルリオーストラリアムシクイ(フリー素材)。この鳥が見れたらいいのだけどなぁ。

 

難所の音を間違えているとややこしい

相変わらずショパン舟歌をボチボチと弾いているが、音を弾き漏らしていたことに気づいた。「適当弾き」をしているとこういうことが起こる。レッスンにかけていたら、先生に指摘されるし譜読みだって真剣度が違うから滅多にそういうことは起こらない。以下写真の青い付箋の矢印部分、内声のg#を弾いていなかったのだ。

この部分、最後にスピードを上げながら盛り上がるところで、ただでさえ難しいのに、忘れていた音を弾くことに神経を飛ばすと崩壊してしまう、苦笑。地道にさらうしかないのだが、曲の最後の難所については(多くの曲がそうなのだが)ここに至るまでに気力・体力が尽きてヘロヘロになっているので余計に難しい。この「終盤に気力・体力が尽きる問題」については別にまた書いてみたいとは思うが。。。

貼っている付箋もやっと3箇所ぐらいになっているのであと一息なのだけど。そもそもこの曲は僕にとっては難曲なので仕方ないとは思うが。

外付けハードディスクが壊れた

今年の正月からのバードウォッチングで撮影した野鳥の写真を保存していた外付けハードディスクがいきなり壊れた。昨年11月に購入した4TBのハードディスクだったのだが約9500枚の野鳥写真と共に逝ってしまった。メーカーに電話したところデータ修復には数万円から数十万円かかるということで、保証期間なのでハードディスクの修理は無償で行うが中のデータに関しては消去されますとのこと。

幸い年初からの写真はまだSDカード内に残っていたのでデータは諦めて保証修理に出すことに。しかしあっさり壊れるものだなぁ。。これまで撮影した野鳥の写真は全部で15万枚ほどで数台の外付けハードディスクに分けて保存しているが壊れたのは初めてだ。それにしても修理されて帰ってきたハードディスク、どうしようか。これに保存するのはなんだか怖い気がする。どうでもいいデータを入れることにするか?と思ったりするが、そもそも「どうでもいいデータ」ならバックアップ保存の必要などないのだ、苦笑。

写真は昨日撮影した紅梅に来ていたメジロ。もう春も近い。

 

河川敷のトラフズク

風が強く寒さを感じる月曜日。
無事遠征から帰った家内も僕と同じく運動不足を痛感しているようで、どこかに歩きに行こうということになり近くの河川敷へ。まずは一度抜けたが戻ってきたと聞くトラフズクを見に行く。トラフズクという鳥は昼間は寝ている上にひどい枝被りが普通なのだが、一瞬顔を上げて目を空けてくれたので満足。土手の上から望遠鏡でもじっくり眺めることができた。小雨が降ってきたので切り上げる。車を駐めていたスーパーで家内はオムライスを、僕は天津飯を昼飯用に買う。今日のバードウォッチングは7,700歩ほどでちょっと距離が不足だ。

北海道に渡った友人が僕からの情報を元に探して超珍鳥をゲットした、と報告あり。何よりである。こちらも肩の荷が降りてホッとした。自分が見てないのは残念だが、笑。

健康診断の結果が届く。一昨年も指摘された同じ症状があり目医者に行く必要あり。もっとも最初からそれは予想していたのでこの1月に目医者に行くのを敢えて健康診断の結果が出るまで延期していた。オーストラリアから帰ってから行くつもり。そのオーストラリアの鳥の予習が全く進んでいないのは問題。その前にもう一つ遠征があるのでそっちにも気が取られている。

肩の荷が降りた

朝から暗く雨が降り続く陰鬱な一日。家内は朝6時半のバスに乗って遠征に出発。新幹線の中からLINEが入り、東に行くほど天気は回復している感じだが雪が降っている、とのこと。腰は張りだけになったので天気が悪くなければ近場に鳥見に出かけるか、と思ったが断念。

昼飯は近くのうどん屋カレーうどんを食べたが950円と値上がりしていてびっくり。評価の高いカレーうどんだがもう行かないだろう。鳥友さんと家内と交互にLINEが来る。彼らが鳥が見れたか気をもみながら音楽を聴いていたが、15時過ぎになって家内から目当ての鳥をゲットしたとの連絡がありホッと安心。ああ、良かった。いろいろな情報を総合し今日行ったら見れるはずと言ったのは僕なのでこれで肩の荷が降りた。
やれやれ。

今日のクラシック倶楽部は、児玉麻里&児玉桃 ピアノ・デュオの連弾での「マ・メール・ロワ」と、2台ピアノでの「春の祭典」。ラヴェルの「マ・メール・ロワ」は自分でも何曲か弾いたことがあるのでとても懐かしく聴いたが、さすがに練達のデュオだけあって素晴らしい演奏だった。ブラボー!である。ストラヴィンスキーの「春の祭典」は演奏は凄いし素晴らしいと思ったが、やっぱりこの曲はオケ版が良いよなぁというのが正直な感想。僕はピアノは大好きだけどそれ以上に音楽そのものが好きだ。オーケストラによる演奏のダイナミズムと色彩感はピアノでは味わえない

アルゲリッチデルガドの連弾による「マ・メール・ロワ」。演奏は児玉デュオほど完璧ではないがまた違った味わい。第4曲「美女と野獣の対話」ではデルガドが優しい野獣でアルゲリッチが気のきついお姫様という感じで聴いていて笑ってしまった。

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鳥の情報屋?

今日でぎっくり腰をやって一週間。痛みはほぼなくなり(昨日は痛みがぶり返していた)夕方になって腰の張りとだるさのみ感じる。相変わらず腰を曲げることには恐怖感はある。夕刻、雨が降りそうな天気だが3000歩ほどゆっくり散歩。

バードウォッチング仲間から、先週、僕が断念した場所に遠征したいのでそこの鳥情報がほしいとの連絡が入る。その地方の知り合いに連絡を取り詳細を連絡。明日から行ってもその珍しい鳥は見られる可能性が高い。それを聞いたうちの家内は一人で明日から一泊二日で新幹線に乗ってそこに行きたいと言い出した。僕が見られないのは残念だけれど家内が見れば誰も見ないよりは100倍良い。ということで明日明後日は一人暮らしである。

他の鳥仲間からも連絡あり。フェリーに乗って今日から北海道に行くので、北海道の鳥の情報が欲しいとのこと。僕が知っている限りの最新の情報をLINEした。自分は行けないのに情報屋をやってるような変な気分だ。

夕刻ピアノに向かう。舟歌の練習。その後、平均律第1巻22番の5声のフーガ、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」などを遊び弾き。

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ブラームス:交響曲第4番

腰の違和感は少しずつマシになってきているものの、まだまだという感じか。以前ギックリ腰をやった時の記録を見返すと、ひどかった時は杖なしで歩けるようになったのが10日ということもあったが、今回のような軽いぎっくり腰の場合は5日目になって「痛みはないが腰の張りはある」と書いてある。今回は今日で4日目だから明日くらいにはかなり治ってきた感があって欲しいものだ。

とにかく動けないので仕方ない。午前中に確定申告をe-Taxで済ませた。昨年、会社を辞め株を売った関係で多額の税金を納めることに。税金の支払いをグズグズしているとお金が惜しい気がしてくるに違いないからインターネット・バンキングですぐに支払った。もっとも今年はこれから相続税司法書士、税理士への支払いもあるからまだまだ現金は出てゆく。

税金は重たいし厳しいけれども、僕は税金は国民それぞれがきちんと払うべき思っている。何ヶ月か前に司法書士に相続について相談した時、先方が「節税をまずお考えと思いますが、、」と切り出したので「いや、税金は払うべきものを払うだけで別に対策は不要です」と言ったら、随分びっくりした顔をされた。でも税金を払える人間が払わないでどうやってこの日本の社会システムを維持するのか。社会システムの維持には当然費用が必要でその費用は国民が負担するしかないのではないか?もちろん自分が払った税金がツマラナイ政治家の給料に使われたり意味のない箱物に使われるのは気分は宜しくないが、払った税金の(たとえ)一部でも公共の社会システム維持に使われるのであればそれで仕方ないとも思う。

クラシック倶楽部はラフマニノフの2台ピアノのための組曲ブラームス交響曲第4番のピアノ版。ラフの組曲は過去アルゲリッチフレイレの壮絶な演奏を耳にしているので正直うーんという感じ。ブラームスの第4番のピアノ版は聴いているうちにオケ版を聴きたくなり、テレビを消してからクライバーウィーン・フィルの演奏を。

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結局、遠征は中止

一昨日の急な腰痛(というか、やはり軽いぎっくり腰)はその夜からひどくなり、寝返りが打てずに一睡もできない状況となったので、やむなく金曜からのバードウォッチング遠征は中止にした。ホテル代、レンタカー代のキャンセルで馬鹿にならないお金が出ていくことになったが、この状況で旅行はあり得ないと判断した(仕事の出張だったら強力な痛み止めを飲んで行ったかもしれないが)。

幸い軽いぎっくり腰なので、今日はもう痛みは相当に減り普通の生活がほぼほぼできるレベルに回復しつつある。が、潜在的な恐怖感「またいつ痛みが来るか?」みたいな不安感は抜けず、何をやるにも(特に腰を曲げるのは)恐る恐るだ。僕は今のところそういう病気は持っていないが、心疾患がある人などはこういう不安感を日常持ち続けているのかも、とも思う。

とにかく安静にしつつ、無理のない日常生活ということになると大してできることもない。腰に違和感があるとピアノを弾きたいとは思わない。Amazon PrimeYoutubeの動画を見たり、本を読んだり程度の時間の過ごし方だ。あとは3月のオーストラリア遠征に向けて図鑑をチェックしたり。ほぼ痛みが消えたら散歩にでも出かけるかな。