風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

平均律クラヴィア曲集第1巻第12番


この平均律のヘンレ版の楽譜、確かドイツのデュッセルドルフに出張に行った時に1巻と2巻をまとめて買った。楽譜屋の場所ももう覚えていない(ベルリナー通りの近くだったような記憶が。。)当時は日本の円が強く海外で楽譜を買うと随分割安に買えたので海外出張にいくたびに楽譜屋を巡ったものだ。

平均律の中でも特に好きで良く弾いたのは第1巻第8番と第12番の前奏曲とフーガ。
今でもこの2曲は時々弾く。第8番は音大生の間でもレッスンで人気の曲、と聴いたことがある。一方、12番はあまり人気がなさそうだが、僕はこの曲が一番好きだ。

昔のブログでおよそ10年前にこのような記事を書いたことを思い出した。

away-sw.hatenablog.com

12番のフーガで特に好きな箇所がある。
47小節目からc-mollで主題がソプラノで歌われる場所。ここは本当に美しいと弾いていて思う(のだが、リサイタルで美しく弾いてくれないピアニストが多い)。

スクリャービンが自分のソナタ第3番の第3楽章で「ここは星々の歌が聴こえる」と言ったという話をどこかで読んだ記憶があるのだが、この箇所は僕にとっての「星々の歌」だ。