風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

「適当弾き」の指使い問題

ショパン舟歌(Op.60)をさらい直している。
この曲は昔のピアノ仲間がよく弾いていて良い曲と思い随分前に遊び弾きを始めた。遊び弾きというのは「適当弾き」のことである。「適当弾き」というのは(僕の造語だが)、雑に譜面を眺めて気楽に適当に弾く、という弾き方だ。ちゃんと弾くならちゃんと弾くやり方で取り組まないと駄目なのだが、適当に弾くのはなにしろ気楽で楽しいのである。当時は仕事をしていたし(おまけに単身赴任だったし)ピアノは気晴らしに気楽に弾きたかったのでそのようにした。

今回はちょっと真面目に弾いてみようとしている。真面目に、というのは譜面に書いている音は全部ちゃんと弾いて(適当弾きでは弾きにくい音を端折ったりする)、スラーも極力譜面通りに弾き、強弱もできる限り譜面にある通り(適当弾きでは気分で強弱をつける)弾くということだ。さて「真面目弾き」でさらい始めてすぐに「まいったなぁ」と思うことになった。指使いである。「適当弾き」の時は譜面の指番号など見ずに自分的に弾きやすい(とその時感じた)指使いで弾いていた。そしてその指使いは当然ながら癖になっている。それがマズイのだ。真面目に弾こうとすると指使いもちゃんと考えないといけなくなる。音のつながり、ミスタッチの可能性低減、声部の強さに合った指の使用など検討してゆくと、結局、多くの場合、楽譜(僕の場合はパデレフスキ版)に記載されている指使いの合理性に行き着く。

あーあ、適当弾きであっても指使いだけは守れば良かった、、、と思っても後の祭りだ。仕方ないので正しい指使いでポツポツとさらい直している。特に93小節目からの部分は随分やり直しになってしまった。(技術的にやっかいな部分だ)

指使いを見直すついでにエキエル版の「舟歌」の譜面を見ていたら、音やスラーもパデレフスキ版と結構違うことに気がついた。ショパン・コンクールはエキエル版推奨だそうだが、、困ったなぁ。。。