風の歌が聞こえますか

僕に聞こえてくる風の歌を綴ります。

ピアノリサイタルを聴きに行った。

ザ・シンフォニーホールでのピアノリサイタルに行ってきた。
ここに音楽を聴きに来るのは何年ぶりだろうか?懐かしい。

この日はオールショパンプログラム。バラード3番、バラード4番、幻想ポロネーズと僕の好きな曲が含まれていたので楽しみに行ったのだが、少々残念な思いを持つことになった。

まず第一にピアノがヤマハのCFXだったこと(最初に演奏者がわざわざ東京から運んだ、と言っていた)。僕はヤマハの音がなぜか苦手なのである。それでも新しいCFXだし違う響きなのかも、と期待したのだがやはりヤマハの音だった。人によってはスタインウェイのきらびやかさは苦手という人もいるので好みなのだが、とにかく僕は苦手なのでどうしても音楽に没入できなかった。これが最初のつまづき。

次に座った場所の問題なのか(2階席だった)、ペダリングの問題なのか、フォルテ部分では残響がきつくて個々の音が立ち上がって来ずクリアに聴こえない。これも音楽への没入を妨げることになった。さらに1曲ごとに演奏者本人が丁寧に作曲された背景や聞き所などを解説したこと。話している内容は面白かったし参考になる話だったのだけれど、ひたすら音楽に集中したい、没入したいと思って来場した僕のような聴衆にとっては集中を切られる感じで残念だった次第(というか演奏者がよくあの形式で集中を切らさず弾けるものだと感心した)。

演奏そのものについてはコメントは特にない。僕はショパンの音楽に没入し感動したくて来ているので、演奏者の演奏技術や解釈についてはさほどの興味はないし、そもそも批評できるような立場でもない。もともと演奏の上手い下手については随分と許容範囲が広いほうだと思っている(例えばベートーヴェンピアノソナタ第31番の第3楽章などは、過去一番感動したのはレッスンではバイエルまでしか弾いたことがないと言っていたアマチュアの演奏だった)。この日は演奏以外の要素で今ひとつ没入できなかったのが本当に残念だった。